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知っ得!不動産ガイド

賃貸かマイホームか

バブルが崩壊する前まで、家の値段は年々値上がりしていて、買った値段より高く転売できることも多かったため、とにかく家を買っておいて損はないというのが一般常識でした。しかし、バブル崩壊以後、住宅ローンを払えなくなって破産するような人も現れた影響で、別に家を持たなくてもいいという一生賃貸派の人も増えています。

一体、家を買った方が得なのでしょうか?それとも一生賃貸住宅でもかまわないのでしょうか?一生の買い物の中で、家はおそらく最も高い買い物ですし、家を買わない場合でも、月の支出に占める家賃など住居費の割合は、最も大きいのが普通です。家を買うか買わないか、買うとしたらどこに買うか、一生の大きな決断になります。ここでは、家を買った場合と一生賃貸住宅で暮らした場合の実際の生活上の違いと経済的な違いについて説明します。

実際の生活上の違い

① 間取り・広さ

一生賃貸でもいいという人が増えたといっても、実際に供給されている賃貸住宅のグレードは、分譲住宅に比べて低いのが現状です。間取りを例にとっても、賃貸マンションでは、大きくても3LDKまでですし、広さは60㎡からせいぜい70㎡程度です。これが、分譲マンションになると、最近は、3LDKで80㎡以上の物件が普通にありますし、4LDKでは100㎡以上の物件もあります。また、一戸建てになると、そもそも賃貸用に建てられた物件自体がほとんどありません。一生賃貸でも良いといっても、一戸建てに住みたいとか、広い家に住みたいというニーズがある場合には、家を買わざるを得ません。

② インテリア・設備

家のインテリアを自分の好みにコーディネートしたいような場合、机やソファなら問題ありませんが、壁紙を家具に合わせたいとか、床の色を明るくしたいといった場合、賃貸住宅では大家さんの許可が必要になるため、自由に変えることはできません。もちろん、自分の好みにあったインテリアを使った家を見つければいいのですが、一般的に賃貸住宅に最初から使われているいるインテリアは、無難で安価なものがほとんどで、凝ったインテリアを期待するのはまず無理です。設備についても、最近の分譲マンションは、キッチンなど水周りを始めとして、賃貸マンションに比べると格段に良い設備があります。インテリアや設備にこだわりがあるような方なら、やはり家は買ったほうが良いでしょう。

③ 修繕・補修

賃貸住宅の場合、家が古くなって住みづらくなれば、すぐ新しい家に引越すことができますが、持ち家の場合はそうもいきません。家を建てて10年20年経てば、どこかしら直さなければならない所が出てくるものです。また、雨漏りがしたとか、どこかが壊れた、といった場合も、賃貸住宅なら自分の不注意で壊したのでないかぎり、大家さんや管理会社に連絡すれば、当然無料で修理してくれ、面倒がありません。家を快適に維持管理していくのは、意外とコストと手間がかかるものです。

④ リスク

人生80年として、30歳で自分の人生を完璧に設計できる人が何人いるでしょうか?例え、自分なりのプランがあったとしても、なかなか思い通りにならないのが人生です。仕事の関係で引越しをしなければならないかもしれませんし、もしかしたら、地震で家が崩れてしまう可能性もないとはいえません。また、買った時はいい住宅街に思えた地域が、20年後、30年後にはさびれてしまう場合もあります。欠陥住宅の問題も、家を買った場合の大きなリスクです。

家を買うのも、言わば不動産投資の一種ですから、リスクを良く考えて実行する必要があります。賃貸住宅であれば、こういったリスクからは逃れることができますので、借金をしてリスクを背負いたくないという人は、賃貸住宅に住むほうが無難です。

経済的な違い

「今の低金利なら、月々の家賃よりローンの支払のほうが金額が少ないですよ。」最近、ディベロッパーの営業マンがよく口にするセールストークです。家賃を払っても、手元には何の資産も残りませんが、家を買えばローンを払っていかなければならないとはいえ、不動産という確かな財産を手にすることができます。そのうえ月々の負担も少ないのであれば、いっそ家を買ってしまったほうが得だと思えてきます。

しかし、本当にそうでしょうか?ローンの月々の支払額は、ローンの期間、頭金の金額、返済の方法、金利、などによって、同じ金額のローンを組んだとしても大きく変わってきます。つまり、「月々の家賃よりローンの支払のほうが金額が少ない」という状態は、何らかの仮定を置いたうえでの話で、仮定を変えれば、当然結論も変わってきます。

坂戸鶴ヶ島周辺の現在の不動産価格や家賃相場を想定して、以下の仮定に基づいて家を買った場合と賃貸で暮らした場合の経済的な比較を行ってみます。

  • 2,500万円のマンションを全額ローンで購入する。
  • ローンの期間は、25年、元利均等返済でボーナス時返済をなしとする。
  • 管理費、修繕積立金は、合計月1万円とする。
  • 金利は、ローン期間を通じて4%とする。
  • ローン期間を通じた資産の平均利回りは、2%とする。
  • 購入したマンションと同じ間取りの賃貸マンションの家賃は、管理費込みで月9万円とする。

上記の仮定に基づいて計算した場合、年間のローン支払額と管理費の合計額は、約170万円になります。一方で、家賃の年間支払額は、108万円ですから、ディベロッパーのセールストークとは違い、家賃のほうが、ローンの支払より年間62万円少ないことになります。つまり、ディベロッパーのセールストークは、頭金を入れる、ボーナス時返済がある、収入の伸びを期待して、返済が先延ばしされるプランを想定している、など、なんらかの仮定を置いていると思われます。

単純に浮いた62万円をタンス預金したとすると、25年後には、62×25=1,550万円が賃貸派の手元に残る計算になります。しかも、普通の人は何らかの金融商品などでお金を運用するはずで、仮定のとおり、平均2%で25年間運用したとすると、25年後には約2,000万円のお金が手元に残る計算になります。

持ち家派の手元に残る財産は、築25年のマンション、賃貸派の手元に残るのは、2,000万円のお金、という結論になります。もし、25年後の中古マンション相場が現在と同じ程度の水準だとすると、築25年のマンションの価格は、1,000万円を切ると思われる一方で、2,000万円のお金があれば、築10年程度の比較的新しいマンションを購入できることになります。

この結果だけみれば、分譲マンションを買うより、賃貸のほうがいいように思われますが、仮定を変えることによって、結果も変わってきますので、単純にどちらが得、と簡単に結論を出すことはできません。ただし、1つ言える事は、比較的低金利を想定した上記の仮定で計算しても、利息の支払総額が1,500万円にもなってしまい、普通の人が考えているよりも利息の負担は重いということです。また、2%という低い運用利回りを想定しても、25年間の運用益は、450万円になるので、低金利、低金利といっても、タンス預金や普通預金にお金を置いておくのではなく、少しでも有利な運用手段を検討したほうが良いようです。もし、今までの分析に基づいて何らかの結論をあえて出せ、と言われれば、以下の2点を結論にしたいと思います。

①手元に余裕資金があり、運用する気がないなら、家を買う方がよい。

②お金を上手に運用する自信があるなら、賃貸住宅に住んで浮いたお金を運用したほうがよい。